＜６＞加工業が粗利益率を向上させるためのチェックリスト

目次

  • 外注費と給与の違いを理解して使い分ける
  • 外注を使うメリットとは？
  • 変化に対応できる外注の柔軟性
  • 外注のデメリット
  • 給与とは何か？その特徴と注意点
  • 目的に応じて賢く使い分けを

外注費と給与の違いを理解して使い分ける

経費削減のために、雇用関係にある従業員数を減らして外注を活用するという手法はよく知られています。加工業が外注を使うメリットとデメリットはどこにあるのか少し詳しく考えてみましょう。

外注を使うメリットとは？

外注を使うメリットは一言でいうと資金繰りの改善です。具体的には次の３つの側面で資金繰りが改善します。
【1】売上に応じて必要な人件加工費をセッティングするので、
無駄なキャッシュアウトがなくなる点
【2】外注契約の支払日を御社側での売上の入金日以降に設定することで、
資金を回すタイミングの逆ザヤがなくなる点
【3】外注費には消費税が含まれているので、
消費税の納税額を減らす効果があるという点

変化に対応できる外注の柔軟性

外注費と給与
一つ目の論点は、加工人件費は売上に応じて変動することに注目した工夫です。
受注が減少して加工・製造プロセスが止まった場合に、雇用契約の人件費はコストカットをするハードルが高いので機敏な経営判断を反映することが難しくなります。そうした場合に外注契約であれば経営環境の変化に迅速に対応できます。

現在のコロナ禍の真っ只中で人件費削減を実現することの法的ハードルの高さを実感した経営者も多くいらっしゃるかと思います。

外注のデメリット

外注費を使うデメリットは一言でいうと、組織への帰属意識の希薄化です。組織としての規模拡大を狙う場合に足をひっぱります。

給与とは何か？その特徴と注意点

給与は、雇用契約を結んでいる従業員に対して支給するものです。最低賃金が法律で定められているように時間当たりの給与額の最低ラインが決まっています。つまり正社員であろうとアルバイトであろうと基本的には「拘束時間に応じて支給する」のが給与です。社会保険や雇用保険、通勤手当といった付随する費用も発生します。

また、給与には締め日と支払日があり、一般的には、月に一度は給与を支払わなければなりません。仕事が完成して納品したかどうかにかかわりなく、給与は支払わなければなりませんので、入金・出金のサイクルが逆ザヤになり、資金繰りの管理が難しくなります。

目的に応じて賢く使い分けを

求める人材に応じて、雇用と外注を使い分けるのがベストでしょう。事業のフェーズや経営方針に合わせ、最適な人材活用戦略を構築することが、健全な経営への第一歩です。