＜７＞加工業が粗利益率を向上させるためのチェックリスト

「需要と供給」という言葉があります。「ある商品・製品・サービスを欲しがる側」が「需要」です。「ある商品・製品・サービスを作って売る側」が「供給」です。

では質問です。「需要側」と「供給側」のどちらが先に生まれるのでしょうか？

もっと簡単に表現しましょう。
「欲しがる人がいるから作る」のでしょうか？「作る側がいるから欲しがる」のでしょうか？

もっともっと分かりやすい例を出しましょう。
「携帯電話」という製品は今や日常生活になくてはならないものですが、この製品は「欲しがる人」がいたから普及したのでしょうか？「作る人」がいたから普及したのでしょうか？

さて、高価な原材料を使うとどのようなマーケットを開拓することができるのでしょうか。

最近のトレンドですが、高級食パンがブームになっています。スーパーで販売している食パンは一斤160円～200円前後です。一方でこの高価格帯の食パンは一斤500円～1,200円といった高額設定です。値は張りますが、品質の高い小麦は国内で調達することができます。西洋に比べれば製パン業の歴史は浅いでしょうが、パンをおいしくするためのノウハウの蓄積は我が国には十分あるでしょう。

つまり材料やノウハウという供給能力は資金さえあえあれば確保することが可能でしょう。原価やノウハウで一流のものを利用することで、製パン業全体のなかの「食パン」という限られたニッチなマーケットを開拓することが可能なのです。

技術的においしいパンを作る能力＝供給能力は、すでに存在するのです。あとは潜在的な需要を掘り起こすことができればマーケットを開拓することは可能なのです。