【社長の専門学校】第2回 売り方改革分科会
売り方で売上・利益は激変する!事業再構築のヒント

消費者と直接つながる「D2Cモデル」の重要性

「D2C(Direct to Consumer)」モデルは、製造元が消費者に直接商品を届ける仕組み。近年、インターネット普及により中間業者を介さない販売形態が注目されています。
製造側のメリット: 在庫を最小限に抑え、直接消費者ニーズを把握できる。
消費者側のメリット: パーソナライズされた製品を手に入れる可能性が広がる。
例えば、クラウドファンディングの活用により、先行予約販売やニッチ市場での需要発掘が可能になります。

販売戦略の4要素とターゲティングの再考

売り方改革では、「誰に」「何を」「どのように」「いくらで」を見直すことが肝心です。このフレームワークを基に、現在の市場から新たなターゲット市場への移行を計画する必要があります。
・ターゲティングの例: 低価格競争からの脱却。個人客や飲食店向けに高付加価値の商品を展開する。
・意思決定のポイント: マーケティングに頼りすぎず、現場感覚を重視した迅速な決断が重要。

時間軸を意識した売り方改革の実践例

株式会社宗近の事例
背景: 創業70年以上の製麺業で、従来はスーパー向けの低価格卸しが主体。
改革: 高品質なそばを中心に、直接販売(D2C)へ移行。自社ECや楽天市場、地域イベントでの販路拡大に成功。
成果: 8年以上の取り組みを経て、利益率の改善とブランド価値の向上を実現。

「D2Cモデル」を成功させる共感の形成方法

消費者との共感を育むことが鍵です。そのために効果的なのが、企業や商品の物語を「英雄伝説のプロット」に基づいて伝える方法です。
「起」では、平凡な始まりや素朴な疑問を描きます。「承」で試行錯誤や努力の過程を示し、「転」でターニングポイントを経て新たな道を切り開きます。そして「結」で成果を示し、感動を与えます。
成功例として「みやじ豚」があります。地元とのつながりを活かし、共感を得るストーリーでブランド化を実現しました。このように、共感を呼ぶ物語は消費者の信頼を得る重要な手法です。

売り方改革で得られる未来への示唆

売り方改革には時間軸を意識することが不可欠です。
一夜での成功は難しいですが、3年、5年、10年という視点で取り組むことで、確実な変革が可能となります。