【重要】扶養制度の抜本的転換。130万円の壁が崩壊!

目次

  • 専業主婦のメリットはなくなる?
  • 1.社会保険制度の「個人単位化」へ軌道修正
  • 2.非正規雇用従業員(被扶養者)への影響
  • 3.今後の論点とスケジュール

専業主婦のメリットはなくなる?

扶養制度の抜本的転換
いつもお世話になっております。
野口博充税理士事務所の野口です。

今回は、経営者の皆さまにぜひ知っておいていただきたい、健康保険(被扶養者制度)の大きな転換についてお伝えします。

令和8年4月28日、財政制度等審議会・財政制度分科会で財務省が「健康保険の被扶養者制度の抜本的見直し」を正式に提起しました。戦後から続く「世帯単位」の社会保険を「個人単位」へ転換するこの動きは、専業主婦(夫)世帯・非正規雇用者・中小企業に広く影響します。

1.社会保険制度の「個人単位化」へ軌道修正

現在、年収130万円未満の被扶養者は保険料ゼロで医療給付を受けられます。その対象は全加入者(7,736万人)の約4割・2,970万人に上ります。
見直しの背景は二点です。一つは、共働き世帯が片働き世帯を上回り続ける中での「保険料なしで給付を受ける構造」への不公平感。もう一つは、与党が縮小検討中の第3号被保険者制度(年金)との一体的見直しです。

具体案は未提示ですが「被扶養者の人数に応じた割増保険料を被保険者が負担する」案が有力です。未成年の子は対象外とする方向です。同分科会では「70歳以上の窓口負担を原則3割に引き上げる案」も併せて提示されました。

2.非正規雇用従業員(被扶養者)への影響

個人単位化が実現すると、「130万円の壁」の意味が根本から変わります。

・保険料ゼロのメリットが消滅し、収入の多寡に関わらず負担が生じる
・年収100万円の配偶者が自ら負担する場合、年5〜7万円の出費増の見込み
・「130万円を超えると損」という就労調整の動機がなくなり、労働参加を促進する効果も期待される

企業・事業主にとっては、従業員から実質的な賃上げ要求が高まるリスクも想定されます。今のうちに社会保険コストのシミュレーションを進めましょう。

3.今後の論点とスケジュール

主な論点は以下の4点です。

・被扶養配偶者と子(成人・未成年)の扱いを分けるか
・保険料は被保険者の割増負担か、被扶養者本人の直接負担か
・低所得・子育て世帯への激変緩和措置の設計
・高齢者窓口負担(3割化)との同時進行の整合性

スケジュール感は次の通りです。
令和8年6月上旬 ▶ 財政審「春の建議」取りまとめ・財務相へ提言
令和8年6月 ▶ 骨太の方針2026 閣議決定
令和8年度内 ▶ 高齢者医療(3割化)の制度設計
令和9年度以降 ▶ 社会保障審議会等での本格議論・法改正へ

「個人単位化」への方向性は確実です。数年以内の変化を見据え、今から備えを始めることをお勧めします。
SUPERVISOR

この記事を監修した人

税理士 野口博充
野口博充税理士事務所
税理士 野口 博充
銀行融資プランナー協会正会員

東京都豊島区東池袋を拠点に、中小企業の税務・会計、資金繰り、銀行対応をサポート。 税務申告だけでなく、財務・経営の面から会社の成長を支援することを重視しています。 経営者の安心と将来への希望につながる財務体質づくりを大切にしています。