約50年ほど前のお話です。時計業界で大きな革命が起こりました。日本のセイコーが発売したクオーツ時計が爆発的にヒットしたことにより、スイスの時計職人が壊滅的なまでに失業したのです。機械式時計から電池式時計への大規模な技術革新です。
「時計とは職人が手作りで仕上げた機械式のものが優秀だ」という思考から「水晶発振を原理に電池で動く時計」へと革命がおきました。思考法の根本的な変革のことを「パラダイム・シフト」と呼びます。パラダイムとは「思考の大きな枠組み」を意味します。約50年前に時計業界では、まさに思考の大きな枠組みがシフト(変化)したのです。
「パラダイム・シフト」と中小企業経営
~利益と付加価値が企業存続の鍵になる時代に~
時計業界に起きた歴史的転換

中小企業に求められる変化
中小企業白書(2020年4月)によると、中小企業には次の2つの課題の克服が求められております。一つは「地域の安定・雇用維持」であり、もう一つは前者を達成するための「経済的な付加価値の増大」です。
従業員の給与を増やしつつ企業体として存続しつづけるためには利益を増やす以外に方法がありません。増加給与分の資金調達は利益を充てるしかないからです。利益を増やさないかぎり給与は増やせません。給与が増やせなければ優秀な人材は集まりません。優秀な人材が集まらなければ企業体としての新陳代謝は止まります。
一方で消費税増税等により、経営者側としては人件費の増加を抑制せざるを得ないような政策を国は続けています。私たちに突き付けられている課題は容易に解決しがたいです。
従業員の給与を増やしつつ企業体として存続しつづけるためには利益を増やす以外に方法がありません。増加給与分の資金調達は利益を充てるしかないからです。利益を増やさないかぎり給与は増やせません。給与が増やせなければ優秀な人材は集まりません。優秀な人材が集まらなければ企業体としての新陳代謝は止まります。
一方で消費税増税等により、経営者側としては人件費の増加を抑制せざるを得ないような政策を国は続けています。私たちに突き付けられている課題は容易に解決しがたいです。
コロナが突きつけた「思考の転換」
さらに新型コロナウィルスという目に見えない「外圧」を経験してしまった私たちは、以前と同じやり方・思考法・感性では、ビジネスの世界で取り残されてしまうのではないか、との不安でいっぱいです。
今まさに、私たちの足元で新たな「パラダイム・シフト」が生起しているのでしょう。ビジネスや生活のあらゆる場面でのデジタル化が求められて既に久しいです。コロナ禍という騒がしい外圧により表立ってはすぐに気づかれるものではないのでしょうが、一つ一つ確実に変化が起こっています。
今まさに、私たちの足元で新たな「パラダイム・シフト」が生起しているのでしょう。ビジネスや生活のあらゆる場面でのデジタル化が求められて既に久しいです。コロナ禍という騒がしい外圧により表立ってはすぐに気づかれるものではないのでしょうが、一つ一つ確実に変化が起こっています。
加工業という言葉の再定義
私たちが語りかけるのは、この国の「加工業」を支える経営者の方々です。加工業とは耳慣れない言葉かもしれません。「製造業」と表現してしまうと範囲が狭すぎます。「IT関連企業」と表現してもやはり狭すぎます。「加工業」とは「自社製品を提供するにあたって人間の手を加えなければ完成しないようなものを手がけている業種」と大きく定義してみます。
昔から「製造業」と呼ばれている業種以外に、ソフトウェア制作業も広く加工業に含まれるでしょう。医療業も薬剤や手術器具を使用して人の手を介しなければ成立しない製品(人工臓器!)・サービスを販売しておりますので広く「加工業」に含まれるでしょう。しかし不動産の売買仲介業は、人の手は必要ですが人の手が加わることで創造される具体的な「物」がありませんので、加工業には該当しないでしょう。
アマゾンやテスラが「製造業」や「サービス業」といった従来の業種区分に分けられないのと同じように、「加工業」といった言葉であらわされる業種は多岐に渡ります。
昔から「製造業」と呼ばれている業種以外に、ソフトウェア制作業も広く加工業に含まれるでしょう。医療業も薬剤や手術器具を使用して人の手を介しなければ成立しない製品(人工臓器!)・サービスを販売しておりますので広く「加工業」に含まれるでしょう。しかし不動産の売買仲介業は、人の手は必要ですが人の手が加わることで創造される具体的な「物」がありませんので、加工業には該当しないでしょう。
アマゾンやテスラが「製造業」や「サービス業」といった従来の業種区分に分けられないのと同じように、「加工業」といった言葉であらわされる業種は多岐に渡ります。