前回は「中期経営計画を立てる意義」についてお伝えしました。
今回からは、実際に立派な計画を立てて成果を出している上場企業を、一社ずつご紹介してまいります。
中期経営計画は「数字」より先に「言葉」を
目次
- ~上場企業に学ぶ 第一回 日立製作所~
- 中期計画は「数値化」ではなく「言語化」
- 実例 日立製作所
- 評価される計画の「型」
~上場企業に学ぶ 第一回 日立製作所~
中期計画は「数値化」ではなく「言語化」
中期経営計画というと、つい「来年は売上を五%増やす」といった数字づくりから入りがちです。ですが、それは一年先を見る短期計画の発想です。
数年先を見すえる中期計画で、最初にやるべきことは数字ではなく「言葉」です。三年後、五年後に自社がどんな会社になっていたいのか。その姿を、まず言葉ではっきり描くことが出発点になります。
数字は、そのあとに置きます。言葉にした未来の姿へ近づくための「道しるべ」として使うのです。順番が逆になると、去年の延長線をなぞるだけの計画になってしまいます。
言葉にする効用は、もう一つあります。未来の姿がはっきりしていると、社員が同じ方向を向けますし、金融機関に将来性を伝えるときにも説得力が増します。
数年先を見すえる中期計画で、最初にやるべきことは数字ではなく「言葉」です。三年後、五年後に自社がどんな会社になっていたいのか。その姿を、まず言葉ではっきり描くことが出発点になります。
数字は、そのあとに置きます。言葉にした未来の姿へ近づくための「道しるべ」として使うのです。順番が逆になると、去年の延長線をなぞるだけの計画になってしまいます。
言葉にする効用は、もう一つあります。未来の姿がはっきりしていると、社員が同じ方向を向けますし、金融機関に将来性を伝えるときにも説得力が増します。
実例 日立製作所
その好例が日立製作所です。かつての日立は、家電から建設機械、素材まで手を広げた「なんでも屋」でした。上場している子会社だけでも一時は二十社以上を数え、外から見ると「何が強みの会社なのか」が分かりにくい状態でした。
そこで日立は、「社会の困りごとを、デジタルの力で解決する会社になる」という未来の姿を言葉で掲げます。そして、その姿に合わない事業は、たとえ黒字の優良会社であっても思い切って手放していきました。素材メーカーの「日立金属」、化学材料の「日立化成」、建設機械の「日立建機」、物流の「日立物流」。
いずれも世間によく知られた会社ばかりですが、次々と外部へ売却したのです。
数字を追う前に、「どんな会社になるか」を先に決めた。だからこそ、これほど大きな決断ができたわけです。結果として、直近の計画では売上も利益も当初の目標を上回り、株式市場からの評価も大きく高まりました。言葉にした未来像を、実績で裏づけたのです。
そこで日立は、「社会の困りごとを、デジタルの力で解決する会社になる」という未来の姿を言葉で掲げます。そして、その姿に合わない事業は、たとえ黒字の優良会社であっても思い切って手放していきました。素材メーカーの「日立金属」、化学材料の「日立化成」、建設機械の「日立建機」、物流の「日立物流」。
いずれも世間によく知られた会社ばかりですが、次々と外部へ売却したのです。
数字を追う前に、「どんな会社になるか」を先に決めた。だからこそ、これほど大きな決断ができたわけです。結果として、直近の計画では売上も利益も当初の目標を上回り、株式市場からの評価も大きく高まりました。言葉にした未来像を、実績で裏づけたのです。
評価される計画の「型」
日立の計画が評価される理由は、三つの「型」に整理できます。
① 成長の前に、まず「何をやめるか」を決めた。捨てる勇気が、強みへの集中を生みました。
② 掲げた未来像を、社員全員が同じ「ものさし」で追えるようにした。ふわっとした理想を、現場が動ける形に翻訳したのです。
③ 計画を絵に描いた餅で終わらせず、実績で上回った。
この三つは、会社の規模に関係なく当てはまります。大企業だけの話ではありません。たとえば「やめる」とは、手間のわりに儲からない商品や、赤字が続くお付き合いを思い切って整理すること。「ものさし」とは、粗利率や資金繰りなど、社員みなが毎月確認できる分かりやすい数字を一つ決めることです。難しい仕組みは要りません。
まずは「三年後、うちはどんな会社でありたいか」を一文で言葉にしてみてください。中期計画づくりは、そこから始まります。
言葉にした未来像は、金融機関に将来性を伝える際の強い材料にもなります。計画づくりから数字への落とし込みまで、私たちが伴走いたしますので、どうぞお気軽にお声がけください。
次回は「味の素」を取り上げます。どうぞお楽しみに。
① 成長の前に、まず「何をやめるか」を決めた。捨てる勇気が、強みへの集中を生みました。
② 掲げた未来像を、社員全員が同じ「ものさし」で追えるようにした。ふわっとした理想を、現場が動ける形に翻訳したのです。
③ 計画を絵に描いた餅で終わらせず、実績で上回った。
この三つは、会社の規模に関係なく当てはまります。大企業だけの話ではありません。たとえば「やめる」とは、手間のわりに儲からない商品や、赤字が続くお付き合いを思い切って整理すること。「ものさし」とは、粗利率や資金繰りなど、社員みなが毎月確認できる分かりやすい数字を一つ決めることです。難しい仕組みは要りません。
まずは「三年後、うちはどんな会社でありたいか」を一文で言葉にしてみてください。中期計画づくりは、そこから始まります。
言葉にした未来像は、金融機関に将来性を伝える際の強い材料にもなります。計画づくりから数字への落とし込みまで、私たちが伴走いたしますので、どうぞお気軽にお声がけください。
次回は「味の素」を取り上げます。どうぞお楽しみに。
SUPERVISOR
この記事を監修した人
野口博充税理士事務所
税理士
野口 博充
銀行融資プランナー協会正会員
東京都豊島区東池袋を拠点に、中小企業の税務・会計、資金繰り、銀行対応をサポート。 税務申告だけでなく、財務・経営の面から会社の成長を支援することを重視しています。 経営者の安心と将来への希望につながる財務体質づくりを大切にしています。




















