現状を打破するためには「中期経営計画」を立てましょう

目次

  • なぜ「前期の延長線」は計画ではないのか
  • 未来から逆算する「中期経営計画」
  • ターゲティングの抜本的な軌道修正
未来から逆算する中期経営計画
今回は、資金繰りや利益改善のご相談を受けるなかで、私が とりわけ大切だと感じている「経営計画のつくり方」についてお伝えします。

「今期の計画をつくりましょう」とお伝えすると、多くの経営者は前期の決算数値を少しだけ上乗せした数字をご用意されます。
売上を五%伸ばす、経費を少し抑える——。一見すると堅実ですが、これは残念ながら「経営計画」とは言えません。 過去の延長線をなぞっているだけで、現状を打破する力を持たないからです。

なぜ「前期の延長線」は計画ではないのか

前期をベースに数字を積み上げる発想は、「今のやり方をこのまま続ける」という前提に立っています。しかし現状に課題や不満を感じているのであれば、同じやり方の延長線上に、望む未来は存在しません。人口減少、原材料の高騰、価格競争の激化——外部環境が大きく変わるなか、昨年と同じ発想では、じりじりと利益を削られていくだけです。

未来から逆算する「中期経営計画」

経営計画の本質は、四~五年先の「ありたい姿」を先に決めることにあります。 売上、利益、社員数、事業のかたち——まず到達したい未来の目標を鮮明に描き、そこから逆算して「今、何をすべきか」を組み立てる。これが中期経営計画です。

ここで大切なのは、現在地と未来のゴールとの間にある「ギャップ」を正しく認識することです。理想と現実の差こそが、これから取り組むべき課題そのもの。たとえば「五年後に営業利益を二倍にする」と決めたとき、今のままの延長では届かない差が必ず見えてきます。その差を前にして初めて、「新しい顧客を開拓する」「商品を見直す」「生産性を高める」といった、本気の一手が具体的に議論できるようになるのです。

このギャップを埋めるために、毎年どのような行動を積み重ねるのか——それを一年ごとの数値目標と具体的な行動プランにまで落とし込んで、はじめて計画は動き出します。数字を眺めるだけの計画書ではなく、社員全員が同じゴールを見て動ける「地図」をつくることが目的です。

ターゲティングの抜本的な軌道修正

ギャップを埋める行動のなかでも、最も重要なのが「誰に売るのか」の見直しです。多くの企業は、これまでの取引先や商品構成を、無意識のうちに「当たり前の前提」にしています。しかし本気で現状打破を目指すなら、まさにそこにメスを入れる必要があります。

 ・誰に(どんな顧客層に)
 ・何を(どんな商品・サービスを)
 ・どのように(どんな売り方・届け方で)
 ・いくらで(どんな価格帯で)

この四つを、いちど白紙から問い直してみてください。今の主力顧客が、五年後も同じように利益をもたらすとは限りません。利益率の高い顧客層へ舵を切る、付加価値の高い商品へ絞り込む—— ターゲットの抜本的な更新こそが、未来のゴールへの最短ルートになります。

そして更新したターゲットは、「来月どの顧客に、どの商品を、いくらで提案するか」という日々の具体的な行動にまで落とし込んで、はじめて成果につながります。
まずは「四~五年後、自社をどうしたいか」を一枚の紙に書き出すことから始めてみましょう。未来を先に決める——それが現状を打破する確かな第一歩です。計画づくりは私たちが伴走いたします。ぜひお気軽にお声がけください。
SUPERVISOR

この記事を監修した人

野口博充税理士事務所
税理士 野口 博充
銀行融資プランナー協会正会員

東京都豊島区東池袋を拠点に、中小企業の税務・会計、資金繰り、銀行対応をサポート。 税務申告だけでなく、財務・経営の面から会社の成長を支援することを重視しています。 経営者の安心と将来への希望につながる財務体質づくりを大切にしています。

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