いつもお世話になっております。
野口博充税理士事務所の野口です。
今回は、経営者の皆さまにぜひ知っておいていただきたい、税務行政の大きな変化についてお伝えします。
【重要】税務調査が変わります
目次
- 2026年9月、国税庁の新システム稼働について
- 何が変わるのか?
- 申告書の様式変更と税務調査はどうつながるのか?
- ①様式変更
- ②データ統合
- ③AI分析
- ④調査対象の選定
- 具体的にどんなことが「引っかかる」のか?
- AIが自動検出する「不整合」の例
- 「悪意がなくても」対象になりうる
- 税務調査の件数は減っているのに、追徴税額は増えている
- では、何を準備すればいいのか?
- まとめ
2026年9月、国税庁の新システム稼働について
何が変わるのか?
2026年9月、国税庁の基幹システムが「KSK2」という新システムへと全面刷新されます。同時に、法人税申告書をはじめとする2,300種類以上の申告書の様式も改定されます。
「書式が変わるだけでしょ?」と思われるかもしれませんが、実はそれだけではありません。
この変更は、税務調査の「選ばれ方」そのものが変わる、大きな転換点です。
「書式が変わるだけでしょ?」と思われるかもしれませんが、実はそれだけではありません。
この変更は、税務調査の「選ばれ方」そのものが変わる、大きな転換点です。
申告書の様式変更と税務調査はどうつながるのか?
今回の様式変更の主な目的は、AI-OCR(AI搭載の文字読み取り技術)への対応です。紙で提出した申告書も含め、すべての申告データが自動的にデジタルデータとしてシステムに蓄積されるようになります。
これにより、次のような流れが生まれます。
これにより、次のような流れが生まれます。
AI-OCRで読み取れる設計へ。紙申告も含め全件がデジタル化
法人税・消費税・所得税・源泉税がひとつのデータベースに集約
税目をまたいだ不整合・業種平均との乖離などを自動検出
AIが異常値を検出した先を絞り込み、調査官が実地調査へ
具体的にどんなことが「引っかかる」のか?
これまで法人税・消費税・所得税の情報は別々に管理されており、税目をまたいだチェックには限界がありました。
新システムでは、それがすべて一元化されます。
新システムでは、それがすべて一元化されます。
・法人税の売上が1億円 → 消費税の課税売上が8,000万円
(差額2,000万円を自動検知)
・源泉所得税の納付額から逆算した給与
→ 法人税申告書の人件費と一致しない
・役員報酬の額
→ 代表者個人の確定申告の給与収入と一致しない
・法人の利益は少ないのに、代表者の個人資産が増加している
(差額2,000万円を自動検知)
・源泉所得税の納付額から逆算した給与
→ 法人税申告書の人件費と一致しない
・役員報酬の額
→ 代表者個人の確定申告の給与収入と一致しない
・法人の利益は少ないのに、代表者の個人資産が増加している
意図的な不正がなくても、経理担当者の処理ミス・会計ソフトの設定漏れ・インボイス対応のズレなどが原因で、データ上「異常」と判定されるケースがあります。
日頃の経理処理の正確さが、これまで以上に重要になります。
税務調査の件数は減っているのに、追徴税額は増えている
実は、税務調査の件数はここ数年で約30%も減少しています。しかし、1件あたりの追徴税額は増加傾向にあります。
これは「数は絞って、確実な先だけを調査する」という方向へのシフトを意味します。KSK2の稼働により、このトレンドは さらに加速すると見込まれます。
これは「数は絞って、確実な先だけを調査する」という方向へのシフトを意味します。KSK2の稼働により、このトレンドは さらに加速すると見込まれます。
では、何を準備すればいいのか?
慌てる必要はありませんが、以下の点を今から意識しておくことが大切です。
【1】税目間の数字の整合性を確認する
売上・人件費・役員報酬などについて、法人税・消費税・源泉税 の申告内容に矛盾がないか、定期的にチェックする習慣が重要です。
【2】数字に説明できる根拠を残す
前年比で大きく変動した経費や売上については、その理由をメモや資料で残しておくと、万一調査が入った際にスムーズに説明できます。
【3】電子帳簿保存法への対応を整備する
請求書・領収書のデータ管理が適切に行われているか、改めて確認しておきましょう。
【1】税目間の数字の整合性を確認する
売上・人件費・役員報酬などについて、法人税・消費税・源泉税 の申告内容に矛盾がないか、定期的にチェックする習慣が重要です。
【2】数字に説明できる根拠を残す
前年比で大きく変動した経費や売上については、その理由をメモや資料で残しておくと、万一調査が入った際にスムーズに説明できます。
【3】電子帳簿保存法への対応を整備する
請求書・領収書のデータ管理が適切に行われているか、改めて確認しておきましょう。
まとめ
適正な申告をされている企業にとっては、AIによって調査先が絞り込まれることで、無駄な調査が減るメリットにもなります。今回の変化は、きちんとした経理体制を整えているほど有利に働くものでもあります。
「うちの申告、大丈夫かな?」と少しでも気になった方は、ぜひ遠慮なくご連絡ください。一緒に確認しましょう。
「うちの申告、大丈夫かな?」と少しでも気になった方は、ぜひ遠慮なくご連絡ください。一緒に確認しましょう。
SUPERVISOR
この記事を監修した人
野口博充税理士事務所
税理士
野口 博充
銀行融資プランナー協会正会員
東京都豊島区東池袋を拠点に、中小企業の税務・会計、資金繰り、銀行対応をサポート。 税務申告だけでなく、財務・経営の面から会社の成長を支援することを重視しています。 経営者の安心と将来への希望につながる財務体質づくりを大切にしています。


















