原価の本質・・・他人の労働(税理士コラム

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税理士コラム

原価の本質・・・他人の労働

売値は2階建ての建物のようなものです。1階は製品やサービスを作り上げるための原価です。2階が御社の儲けとなる粗利益です。1階がどのようにできているか分からなければ、2階へは進めません。

売値を決めるということは、原価に粗利益を加える作業です。では原価とはそもその何なのでしょうか?

 オレンジジュースを製造するプロセスを例にして考えてみましょう。オレンジを搾る機械の購入費用は原価ですよね。しぼったオレンジジュースを詰める容器の購入費用は原価ですよね。原料のオレンジの仕入額も当然原価ですね。このように見てみると「原価」とは「他人の努力」をお金で買ったものの合計です。機械は自分で製造できないから購入したのですよね。誰かが創意工夫をして設計製作した機械です。オレンジも自分で栽培しないで他人が育てた果物を購入したのですよね。誰かが品種改良や水やり等の栽培方法を創意工夫して育てたオレンジです。容器ももちろん他人がつくったものをお金で購入したのですよね。つまり「原価」は社長ご自身の努力の結晶ではなく、他人の努力をお金という対価を支払って自分のものにしたのです。

 もちろん非常に優秀な機械なのでしょうし、原料も高級品なのでしょう。そうした素晴らしい品を探し出した社長の功績は大きいと思います。原価の組み合わせで良質な製品ができることは確かです。そしてその組み合わせを考案した社長の慧眼は称賛に値します。けれども原価は他人の努力をお金で購入したにすぎません。原価とは基本的には「他人の努力の結果」にすぎないのです。

 中小零細企業にとって《薄利多売》は難しいビジネスだと言われています。その理由は簡単です。薄利とは《原価が高い》という意味に他なりません。つまり他人頼みのビジネスモデルなのです。自分独自の価値を創造した結果が付加価値つまり粗利益です。粗利率の高いビジネスモデルとは、自社のオリジナリティの占める率が高いので、うまく軌道にのる可能性が高いのです。

 どの程度のオリジナリティが必要なのかはケースバイケースでしょうが、ちょっとした視点の違いで十分なニーズを掘り起こすことができるのではないでしょうか。

 

2021年3月24日 | カテゴリー:経営

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