創業から高額融資を狙う社長必見。公庫と信用金庫で協調融資を狙う!(税理士コラム)

野口博充税理士事務所

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税理士コラム

創業から高額融資を狙う社長必見。公庫と信用金庫で協調融資を狙う!

1,000万円超の創業融資を獲得する方法を伝授します

■創業融資で調達できる金額は1,000万円以内が原則

創業融資で日本政策金融公庫から調達できる資金は1,000万円が限度と言われております。その理由は幾つかありますが、おおむね次の様なものです。1:総予算で1,000万円を超えるような起業はマネジメントが難しいのでそもそも難儀である。2:自己資金の2倍程度まで調達できる創業融資だが、そもそも多額の自己資金を確保している方が少ない。3:日本政策金融公庫の各支店の決裁権がそもそも1,000万円を上限としている。「そもそも」ばかりが続きますが、要するに知っていたか?知らなかったか?の問題です。

◆大型起業

例えば上場企業の役員の経験が長くあり、経営の実績のある人物が一念発起して起業される場合には、法人出資者が現れて大規模出資により起業当初から潤沢な資金を調達できるのでしょう。おそらくそもそもの初めから日本政策金融公庫の創業融資は活用しないかもしれません。当初から20人~100人の人材を確保してマネジメントも大きな滞りなく進めるのでしょう。創業時の総予算は1,000万円を超えてくるかと思いますが、こうした創業は例外に近いお話であまり参考になりません。

◆小さく産んで大きく育てる

日本政策金融公庫でお金を借りて起業する人のほとんどが、脱サラした普通のサラリーパーソンです。給与所得で生活をして将来の夢のためにと、毎月わずかばかりの貯蓄をしてきたごく普通の人です。100万円~300万円前後の自己資金を元に、その2倍程度の借入金を起爆剤にして初めて事業を始めます。創業当初は目標の売上に達せず、日々通帳の残高が減っていくのを眺めながら、「頼むからせめて現状維持で・・」などと切実な思いを吐露しつつ仕事をしております。頼りになるのは自分だけ。経営者の孤独に耐えながら半年・8か月と時の経過とともに徐々に売上が増えてゆき、収入と支出が逆ザヤである【デスバレー】の状態をようやく抜け出ます。脱サラ前の収入に戻るのは1年~3年後であるのが当たり前の世界です。小さく産んで、数年かけて大きく育てていきます。少ない自己資金には少ない創業融資しか紐付きません。よって1,000万円を超える融資の獲得は難しいのが現状です。

◆日本政策金融公庫の支店決裁権は1,000万円までです

創業融資は日本政策金融公庫の《新創業融資制度》を活用するのが定石です。公庫のホームページによると、この融資は貸付限度額が3,000万円までと記載されております。しかし実際の融資限度額は1,000万円です。理由は、支店決裁権が1,000万円までだからです。それ以上の融資申し込みは本部での審査が必要となります。融資決定までの手続を考えてみましょう。みなさんが融資を申請して面談するのは公庫の担当者です。担当は上席の職員に説得力のある説明をしなければなりません。ましてや融資希望額が1,000万円超のため支店を超えて本部での審査となれば、追加資料を求められるなど事務作業が煩雑になります。当然ですが融資申請額が多ければそれだけ審査も厳しくなり、通過率も低くなるでしょう。額が増えればそれだけハードルは高くなります。結論として、公庫での創業融資の限度額は1,000万円だと理解してください。

■協調融資で1,000万円を超える創業融資を獲得

そうは言っても、創業時の総事業予算が1,000万円を超える起業もあります。そうした場合には協調融資で資金調達を試みます。強調融資とは、政府系の金融機関である日本政策金融公庫と民間金融機関の主に信用金庫が一緒になって創業者に融資を行うものです。例えば1,500万円の融資希望の起業者に対して、公庫が1,000万円、信用金庫が500万円と合わせて1,500万円を融資するといった支援です。

◆公庫が融資すれば、民間の融資も通りやすい?

唐突ですが、公庫には通帳がありません。え?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、公庫で通帳口座を作ることはできません。公庫は貸出専門の金融機関だからです。想像してください。創業者は公庫で1,000万円の融資が通りました。融資金は創業者の希望する民間金融機関の口座に入金されます。仮にA信用金庫に着金されると仮定しましょう。創業者はA信金をメインバンクとして利用することになります。そこで創業者はA信金に運転資金500万円の融資を依頼します。A信金の立場で考えてみましょう。創業者は公庫で融資の審査を通過しております。そして我がA信金に口座を作ってくれて、公庫の融資金が入金されて、メインバンクとして利用してくれます。当然ですが、取引に係る手数料収入がA信金には入ってきます。さて、A信金は500万円の融資依頼を断るでしょうか?絶対に融資を獲得できるとは申しませんが、貸し易くはなるでしょう。もちろん事業計画がしっかりしている点や、創業者の個人情報の調査などはクリアする必要はあります。

◆公庫と民間で責任を分散する

総事業予算が1,500万円の起業に対して公庫が単独で融資をしたとします。この創業者の起業がうまくいかず、数年で倒産した場合に、回収不能のリスクを負うのは公庫だけになります。事業規模が大きければ、それだけ倒産時の損害も大きくなるでしょう。貸し出しをした金融機関のリスクも高くなります。こうしたリスクを回避するために、公庫と民間が協同して貸出を実施するのが協調融資です。

■設備資金は日本政策金融公庫から調達

設備資金の融資は返済が10年~20年と長期に設定できます。毎月の元本返済額は少なくなるため、5年程度で返済する運転資金より毎月の資金繰りは楽になります。よって運転資金を借りたいのに、設備資金の名のもとで融資を受けたくなります。こうしたことを防止するために、設備業者への支払いを銀行が行うことがあります。具体的には次のとおりです。当社は業者Aに内装工事等を依頼して1,000万円の支払いが確定しました。B銀行へ1,000万円の借入を申請して審査が通りました。B銀行は当社の通帳に1,000万円を入金して、当社から業者Aの請求書の提出を受けて、銀行Bが業者Aに1,000万円の振込を実行します。こうすることで資金使途をごまかすことを防止しております。ただし、日本政策金融公庫から設備資金の融資を受けた場合には、後日業者Aからの請求書・領収書の写しを公庫に提出することで済ませることがほとんどです。結果的には公庫でも資金使途のごまかしはできないことになりますが、決済プロセスを拘束される民間金融機関より緩やかです。結果として設備資金は公庫から調達するのが便利です。

■運転資金は信用金庫から調達

3で触れたように、民間金融機関で設備資金を借りる場合には、決済プロセスを拘束されることがあります。そのため設備資金は公庫で借りるのがベターです。一方で運転資金については、創業する地域の創業支援センター等を活用して、民間金融機関から融資を受けるとお得感があります。例えば各地域で特定創業制度というのが設けられています。創業にあたって必要な知識を勉強するセミナーのようなものです。この勉強会に一定期間参加することで融資利息の補助を受けられるなどの特典があります。おおむね2%程度の利子補給制度を設けている自治体が多いようです。金融機関からの借入金利が2.3%程度だとすると、2%を自治体から補助されるため、実質0.3%の金利で借入ができることになります。時間差を設けて融資を獲得するのも一つの手法です。先に設備資金を公庫で確保して、その後、民間金融機関から運転資金を調達するなどの方法です。もちろん公庫で借入手続きをしている最中に、民間融資の段取りも同時並行で整えていきます。

■まとめ

設備投資を伴う創業の場合、融資希望額が多くなるため、日本政策金融公庫の支店決裁枠1,000万円では足りないケースもあります。その場合には、民間金融機関との協調融資を狙うことができます。もちろん起業のビジョンや利益計画が創業計画書でしっかりと説明できることは協調融資を受けるための当然の前提となります。総事業予算が高額な創業を希望される方は、ご自分で準備を進める前に専門家のアドバイスを受けてみてください。

2019年6月30日 | カテゴリー:独立開業

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